さて、今日は先日も取り上げた、介護認定のお話をしたいと思います。先日の記事では介護認定を受けるための申請手続きについて書きましたが、今日はそのあとに実施される認定調査についてのお話です。認定調査とは、介護サービスが必要になったときに、介護保険を申請をすると、市町村の認定調査員さんが介護を必要とするご本人の自宅を訪問して、お体の具合がどれくらいなものか、どれくらいの支援や介護が必要なのかということをチェックするものです。
では、この調査ではどのようなチェックがなされるのでしょうか。私の祖母も以前、介護保険を申請して、認定調査を受けました。そのときのことと、区役所の介護ハンドブックを基にまとめてみたいと思います。
身体機能のチェック
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片足で起立できるか
- 自分で寝返りを打つことができるか
- 手や足が自由に動かせるか
- 体に麻痺がないか など
記憶や認知機能のチェック
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自分の生年月日を言えるか
- 家族の名前が言えるか
- 昨日の晩御飯の内容を言えるか
- 自分の考えを人に伝えることができるか など
生活適応のチェック
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嚥下困難があるか
- ひとりでトイレに行けるか
- ひとりで入浴できるか など
社会生活に適応できているかのチェック
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電話をかけることができるか
- 薬を忘れずに服用できているか
- お金の管理ができるか など
精神・行動障害についてのチェック
- 最近、感情の起伏が激しいときがあるか
- 誰かが悪口をいっているような気になるときがあるか
- お金や物を誰かに取られたと感じることがあるか など
過去14日日間に受けた治療についてのチェック
- 人工透析を受けたか
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インシュリン注射を打っているか
- 点滴を受けたか など
介護認定調査はケアマネージャーさんが行う
介護認定調査は市町村に依頼されたケアマネージャーさんによって行われます。調査の時間はだいたい30分から1時間で、上記のような質問がなされます。実際の項目はもっと多いですが、大まかなポイントはこのような感じです。調査後、要介護認定通知が届くことになります。
ケアマネージャーさんは介護のプロ中のプロですので、介護サービスを必要とする人がどのくらいの介護を必要としているかということをしっかりと見られます。
認定調査は、ご家族の方もご本人も少し緊張する時間になるかもしれませんが、できるだけリラックスして普段通りの様子を見てもらうのが一番です。また、つい、張り切ってしまって、できないことをできるといってしまったり、普段できることができなかったりするかもしれません。そうなると、調査員の方に介護の必要性が低いとみなされ低いレベルの認定をされてしまったり、その逆のようなことになる場合もあります。
できるだけ具体例を出す
質疑応答のポイントとしては、はい、いいえで答えるのではなく、具体例を出して答えるようにした方が、より現状を理解してもらえると思います。歩行できるかという質問に対しては、何分くらいならできる、どこら辺までなら歩ける、ということを具体的に答えます。
たとえば、杖があれば30分くらいひとりで散歩に行けるとか、近くのコンビニなら杖なしで歩いて買い物に行けるとか、何ができて、何ができないかということをしっかりとわかってもらうようにします。
なぜかといいますと、いくらケアマネージャーさんとはいえ、たった1時間程度で初めて会った人の体の状態をきちんと正確に把握するというのはとても難しいことだからです。さらに、介護認定のポイントは年々厳しくなっていますから、正味の話、さらっとした調査で済ましてしまっては、さらっとした認定結果しかでないことも無きにしもあらずなのです。
できないことはできないと正直に伝える
もちろん、うそをついたり、だましたりするのはだめですが、できないことはきっちりできないと理解してももらうように、ある程度、戦略を立てておき、認定をもらうというよりも、認定を取りに行くくらいの心持で認定調査に挑んだ方がよりご本人の希望に近い認定が受けられると思います。
介護保険を使ってサービスを利用することは国にも認められたきちんとした権利ですので、引け目をかんじることなく、堂々と利用するべきだと思います。そのために介護保険を支払ってきていますものね。義務だけを全うするのではなくきちんと権利も主張していくのが本来の形だと私は思います。
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