調剤事務を辞めたい! 原因と解決策を徹底解説!

調剤事務になる方法

念願かなって調剤事務になれたのに、いざはじめてみると、わからないことだらけ、できないことだらけ。30代後半から新しいことを始めるのは、こんなに大変なことだったんだ。いっそのこと、辞めちゃおうかな。

調剤事務をはじめた頃、私はそんなことばかり考えていました。

そして、なんと!7年以上調剤事務として働いている今でも、ふとした瞬間にそんな考えがよぎることがあります。調剤事務という仕事にはそういうエアーポケットのような瞬間があるんですね。でも、せっかく好きで始めた仕事ならがんばって続けたい!

そういうわけで、今日は調剤事務を辞めたいと思うけど、本当は辞めたくない、頑張っていきたいと思う方に向けて、辞めたいと思う理由と、対処法について実体験を元にまとめてみたいと思います。

薬剤師とうまくいかない

この問題で悩んでいる方、とても多いのではないでしょうか。

私はこれまで数十人の薬剤師と仕事をする機会がありましたが、国家資格を有する薬剤師といえど、社会人としてこれはダメだろうと思う人が何人かいました。

全然働かないでスマホばっかりいじっている人、ワンマンでチームワークを全く考えない人、患者さんによりそわない人、薬の監査をするといつも居眠りを始めるなんて人などなど。

その中でも一番、ストレスを感じたのは、あからさまに事務を見下すような態度をとる人でした。

問題のある人材というのは、薬局に限らずどの職場にも散見されますが、「先生」と呼ばれている薬剤師に比べ、事務の立場がとても弱いという点、そして、常に事務と薬剤師はセットで働かなくてはいけないという点が、薬局勤務の難しいところだと思います。

事務の立場上、薬剤師からの指示はほとんどの場合、絶対です。本来事務がやる仕事ではない仕事を当たり前のようにやらされても、薬剤師のミスを押し付けられても、忙しい時に八つ当たりされても、右へ左へ受け流し、淡々と業務をこなしていかなければいけません。

そういう日々の中で、いつしか給料と仕事のバランスが合わないなあと思い始め、精神的にも肉体的にも限界がきてしまうと、調剤事務の仕事を辞めたいという心境になってしまいます。

もちろん、ほとんどの薬剤師さんは利発で親しみやすく、毎日一緒に働くのが楽しななるような人たちです。でも、運悪く問題のある薬剤師にあたり、その人と働くことで、仕事へのモチベーションが保てなるということがあったりすることも残念ながら事実です。

対処策

こういう事態を避けるために、私が実践している対処法は、自分から不用意にへりくだらないということです。

そんなことすると薬局にいられなくなるんじゃないの?と思われますよね。でも、実は、これこそが私が薬局で長く楽しく働いてきた秘訣なんです!

これまで7年以上調剤事務として働いてきましたが、薬剤師に従順すぎた結果、自分の首を絞めて、仕事がつらくなってしまったというスタッフを何人も見てきました。

さらに、このスタイルが良くない点は、自分だけでなく、結果的に他の事務員にも迷惑をかけてしまうというところです。何でもかんでも事務がやってしまうことによって、薬剤師が事務に甘えてしまい、薬剤師がやるべき仕事まで事務の仕事になる。そのことで事務全体の仕事が増えて、事務がキャパオーバーになったとき、事務が仕事を断ると、「どうして断るのか」と雰囲気になってしまうのです。

薬剤師だろうが事務だろうが、患者さんのために働いているのは同じです。もちろん、薬剤師にしかできない専業がありますので、事務がサポートに回るというのは仕事柄当然のことなのですが、なんでもかんでもいうことを聞くというのは、それとは全く違うことだと私は思っています。

いうべきことはきちんと伝える。

もちろん、そのためには仕事が一定のレベルまでできるようにならなくてはいけませんが、仕事は、やる気と継続時間があればほとんどの人がそれなりのレベルまでできるようになってきます!

やるべきことをやって、戦わなくてはいけないときは、きちんと戦う。それでも、だめなら、新しい環境を見つける。生意気に聞こえるかもしれませんが、いつでも、自分のことを安売りしないように心がけることはとても重要なのことだと私は思っています。

事務員同士でうまくいかない

下手すると家族よりも長い時間過ごすことが多い事務員同志がうまくいかないと、ストレスで胃がおかしくなりますよね。本当、痛いほどわかります。

特定の人と上手くいかない場合もあれば、全体の雰囲気に馴染めず、浮いてしまうなんてこともあるかもしれません。

単に仕事ができない場合や、子育てや介護の関係でシフト的に他のスタッフに迷惑をかけてしまうといった、自分に非がある場合は、人間関係がまずくなってもまあ、仕方ないかと思えますが、全く身に覚えがないのに、個人的な感情で嫌われてしまうと、腹が立つやら、悲しいやら。仕事に集中できず、しなくていいミスをしてしまったりして負のループに陥ってしまいます。

対処法

そういう時、私はできるだけスタッフと会話をするようにしています。会話をするスタッフは特定のスタッフではなく、同じ職場で働く人、みんなです。好きな人、嫌いな人、分け隔てなくボリュームもバランスを取りながら話すことがポイントです。

その際、特に私が重きを置いているのは、本気で相手と話したいと思うことと、その気持ちを相手に届くようにきちんとアピールすること、この2点です。

やっぱり、人間ですから会話をしないことには何もわからないし、はじまらないと私は思っています。お互いわかりあえていないから変に想像力を働かせてしまってることってありますよね。中身がわかってしまえば、よくも悪くもなんだそういう人だったんだとなって、好かれないかもしれませんが、特別嫌われることもなくなってくる思います。

プラス、仕事ができるようになること。これは当たり前のことなのですが、やっぱり職場なので、仕事ができてなんぼというところはあります。

仕事ができない内は自分が思ってるより、周りに迷惑をかけているものなので、まず一定レベルまで仕事ができるように努力する。仕事ができるようになると周りの負担も減るので、あたりも弱くなるし、自分に余裕ができると、周りが見えてくると思います。

仕事量が多すぎる

仕事量は勤務する薬局によって、とても幅あります。

立地のよい場所の流行っている薬局の場合、一日300、400枚の処方箋がくることも珍しくありませんし、閑古鳥が鳴いている病院の門前(しかも、近隣に他病院なし)なら、一日に10枚程度ということもあります。

ここで問題になってくるのは処方箋枚数=忙しさというわけではないという点です。

当たり前ですが、処方箋が何十枚何百枚来てもスタッフがそれに合わせた人数、雇われていれば、一人当たりの仕事量はバランスよく配分されます。

問題になってくるのは、処方箋枚数、仕事量に対してスタッフが釣り合っていない場合です。本当のところ調剤事務を辞めようと思う理由ナンバーワンは、ダントツでこれだと言えるかも知れません。

対処法

実は、この悩み、シンプルなようで最も厄介です。

なぜなら、自分が変われば問題が解決するという類のものではないからです。こればかりは運否天賦による要素が大変多いので、自分自身がその環境に対応していくか、その環境から離れるかしか、解決法はないと思います。

環境に対応していくと決めたら、自分のスキルを上げる、組織としての仕事の進め方を見直すなどの方法を実践していきます。

スキルを上げるのは個人の努力次第である程度、達成可能だと思いますが、後者は自分がどのポジションにいるかということによって、実現できるが変わってくると思いますので、まずは実現できるポジションにつくということが当面の目標になるでしょうか。

自分だけ、仕事量が多いというパターンもあると思います。仕事ができない人のフォローに回るため、仕事をしない人の仕事が回ってくる、仕事ができすぎてどんどん任されてしまう、いろいろなパターンがありますが、対価が仕事量に見合っているか、という点を常に確認しながら働いていかないといけません。

ただ、ほとんどの場合、見合ってないんですよね。そもそも見合ってないから、仕事量が多いなと感じるのだと思います。

いろいろ算段して、やっぱり納得がいかないとなった場合は、店を変えるという選択肢ももちろん有りです。

環境から離れるという選択はある意味、とても合理的です。

調剤薬局の仕事量の多さは運による要素が大きいわけですから、自分がこなせる仕事量を与えられる調剤薬局が見つかるまで「薬局ショッピング」すればいいわけです。

終身雇用制度が破綻しつつある令和の時代ですから、一つの勤務先に骨を埋めるということにこだわる必要は全くないと思います。

しなやかに生きることが、これからの時代に合っていると私は思っているので、転職上等!の気持ちで働いていくのもいいのではないでしょうか。

仕事が覚えられない

これも薬局あるあるです。

未経験からはじめた人はこの気持ちすごーくわかりますよね。本当にはじめは何から何までわからないんです。アムロジピン?アムロピジン?

いや、それ以前の問題ですよね。ケアプランセンターの名前が似すぎて覚えられない。小児用シロップの店在庫がどれかわからない。メトグルコとメトホルミンはどちらが先発でどちらがジェネリック?一般名って何?成分量ってなに?

これはもう経験を積むしか道はないです。(経験談)

調剤事務の仕事は他の事務と比べると、専門性が高いですから、もともとできるなんて人はほぼいないわけです。だから、スタートはみんな一緒。

つまり、習得するにはみんな必ずそれなりの時間を要します。

ずばり時間を要していいんです!!むむ!

諦めずに、コツコツと学んでいく気持ちがあれば、必ず仕事が覚えられる日が来ます!それまでは、いっぱい失敗しましょう!その期間は1年~2年、いや、もっとかかりますので、いま頑張っている人は焦らなくてもダイジョブですよ!

 

仕事がこなせない

仕事がこなせないというのは、精神的につらいですよね。あたふたしている自分の横で淡々と業務をこなしていく先輩を見ると、自分の無能さに嫌気がさしてきます。

特に、調剤事務を始めたばかりの方は、毎日こんな気分を味わっているのではないでしょうか。そして、もちろん私もそんな新人でした。

毎日が必死のパッチの私が実践したのは、以下の3つの方法でした。

  • 仕事に取りかかる前に今日やることをメモに箇条書きにする
  • 時間のかかる仕事から取りかかるのではなく、時間のかからない仕事からどんどんこなしていく。
  • 自分一人だけでやろうとせずに、チームに頼る。

頭の中でシミュレーションするだけでは、忙しくなったり、急に仕事が入ったりすると、混乱してしまうので、朝出勤したらまず、今日絶対やらなくてはいけない業務をメモに書きだします。ToDoリストを作るわけです。コツはあまり綿密に計画せずに、絶対にやらなくてはいけないことだけを書くことです。

時間のかかる仕事からやる方がいいように思えますが、これは体験的に絶対に違うと断言できます。どうしてかというと、難しい仕事から取りかかると、どうしても時間と体力を消費してしまうからです。特に時間においては最初に難しい業務から取りかかると、後々、足りなくなってしまうという問題が出てきてしまいがちです。

簡単な仕事からどんどんさばいていき、時間を残して最後にしんどい仕事に取りかかることが業務を完遂していくにはとても重要だと思います。

あとは、よく言われることですが、自分で全部やろうとしないこと。ファースト大谷、セカンド大谷、サード大谷、ショート大谷ではいけないんですよね。

いくら自分が大谷選手ばり能力を持っていたとしても!組織で働くときにパーツの一つになることが必要であり、重要です。

思っていた職場と違った

調剤事務の仕事を患者の立場で見ていると、清潔そうな職場で、エアコンも効いてるし、白衣もかっこいいし、デスクワークでなんだか楽そう。と、思われる方も多いかもしれません。

でも、いざ働いてみると、イメージと全然違い、薬剤師はえらそうだし、患者さんからクレームもあがる。毎日、目の回るような忙しさでなんだかわりに合わないな、辞めたいなと思われる方もいらっしゃると思います。

どんな職業にも言えることですが、やってみないとわからないということはあります。就業前にどのようなイメージを抱いているかで、現実とのギャップの幅は変わってくるでしょうし、スタッフの質や職場環境などは、運にも大きく左右されますので、実際に調剤事務という仕事がその人に合うかどうかは、勤めてみてはじめて体感できるものだと思います。

もちろん、Aという薬局でうまくいかなくでも、Bの薬局では馴染めたということもありますので、私としては、一つの薬局にこだわらず、自分が働きやすい薬局が見つかるまで薬局ジプシーをすればいいと思っています。

実際、今の薬局でも、流れ流れてうちの薬局にたどり着いたというスタッフもいます。その方の人間性や仕事力はとてもレベルが高く魅力的なので、たまたま他所の環境が悪かったか、会わなかったのだろうなというふうに思っています。

いろいろ考えたあげく、やっぱり調剤事務の仕事自体に馴染めない、やりがいを感じないという場合は、他の仕事を探せばいいと思いますが、1店舗目でなんか違うなと思われた方は、すぐに調剤事務を辞めるのではなく、もう一店舗薬局を体験されてから結論を出されてもいいんじゃないかなと私は思います。

最後までお読みいただきありがとうございます!

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